友達の結婚式の招待状が届いた。日付を見て「あ、土曜か」くらいしか思わなかったんだけど、別の友達が式場を探してて「大安の日だけ会場費が高いんだよね」ってこぼしてたのを思い出した。
え、待って。「今日は大安です」ってカレンダーアプリに毎日出てくるけど、それ、誰が決めてるんだ。
仮説をいくつか並べてみる
占い師の団体が毎年発表してる? お寺の偉い人が会議して決めてる? 月の満ち欠けとか、なんかそういう天体の位置で決まる?
――で、ちょっと調べ始めたら、どの仮説も外れだった。大安を「決めてる」組織はどこにもない。占いですらない。旧暦の日付さえ分かれば、あとは計算で終わる話だった。
実際に計算してみる
六曜(大安・赤口・先勝・友引・先負・仏滅)は、旧暦の「月+日」を6で割った余りで決まる。余りとラベルの対応はこう。
| 余り | 六曜 |
|---|---|
| 0 | 大安 |
| 1 | 赤口 |
| 2 | 先勝 |
| 3 | 友引 |
| 4 | 先負 |
| 5 | 仏滅 |
例えば旧暦3月3日(ひな祭り)。3+3=6、6を6で割った余りは0。だから旧暦のひな祭りは、毎年必ず大安になる。占いでも何でもなく、ただの割り算。
つまり、365日ぶん誰かが手作業で占ってるわけじゃない。旧暦の月日さえ入力すれば、機械的に一意に決まる。スプレッドシートの関数1個で今年ぶん全部出せる(実際やってみたら5分で終わった)。
じゃあ「仏滅」ってそもそも何なのか
ついでに気になって仏滅の由来も見てみた。よく言われてるのは、もともとは「物滅」という当て字で、仏教とは直接関係ないという説。「仏」の字が入ってるから縁起が悪そうに見えるけど、字面の印象が先に立って定着した、という話らしい(このあたりは諸説あるので、断定はしないでおく)。
明治の改暦(太陽暦への切り替え)のとき、政府は六曜を「迷信」として公式の暦から外そうとした、というのもわりとよく言われる話だ。なのに、いま僕らのカレンダーアプリには毎日律儀に表示されてる。追い出そうとしたものが、後年しっかり定着した、というねじれ。
じゃあ大安に結婚式挙げるの、意味なくない?
……意味があるかどうかは別の話。「誰かが権威を持って決めてる」んじゃなく「計算式にラベルが貼ってあるだけ」だと分かった、それだけのこと。
で、これの何が面白いか
「今日は大安です」。この一言、ありがたい神託みたいな顔をしてる。でも中身は、旧暦の日付を6で割った余り。占い師も、お寺の会議も、星の運行も関与していない。権威っぽく見えるものの正体が、実はただの計算式だったというのが、今回いちばん「へえ」ってなったところ。
信じてる人をどうこう言うつもりはない。大安の日を選びたい気持ちは分かるし、それはそれでいい。ただ、僕は「これ誰が決めてるんだろう」の答えが知りたかっただけで、答えは「誰でもない、mod 6」だった。
……そういえば、曜日(月火水木金土日)も似た理屈で、日付を7で割った余りで完全に決定論的に決まる。これはこれでまた今度、ちゃんと計算してみようと思う。